どうあるべきかの前に、お互いに何が今できるかを確認したら。

10年ぐらいあとにコールセンターのアウトソーシングで似たような話がされるんじゃないか、とか妄想。だけど、そんな一般論を決めたところで何もおきないんじゃないかい。だって、その一般論をすべての企業が守れるわけじゃないんだから。

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コールセンターのアウトソーシングにしたって単純に席数と応答率ぐらいしか管理できていないところがほとんどで、コールマニュアルをどの範囲までクライアントが作成するかとか・データベースの管理範囲だとか・コール集計の解析をどの範囲までやるかとか、クォリティの部分をどう満たすかについて委託側と受託側でしょっちゅうもめてるころが多々ある。

これがお互いにノウハウを知っててそれを金額の問題があるのでどこまでやりましょうっていう話ならまだしも、実はお互いにコールセンターの品質向上ってどうやったらいいのかわからないなんて話が多々あるのがコールセンター業界の実情。*1それはコールセンターよりも長い歴史があるSIerの世界でもまだまだ同じ状況なのか、というのが先の文章を読んだ感想。

ある仕事を共同で達成するのに自分が何をすればいいかを考えるのに、自分が何ができるかと相手が何ができるかというころは一般化した理想論とは別に考える必要がある。あるべき姿があってそうなるのが理想だとしても、自分のできることと相手のできることを足して実際にそれが達成できるかというのはまったく別の話。*2

ところが営業レベルでお互いに何ができるのかっていう話をしてないうちに契約を結んでしまってるのが、あちこちのアウトソーシングがうまくいかない根本的な理由なんだろう。B2Cみたいに売ったらそれっきりのようなものじゃないんだから、一般論と照らし合わせて業務範囲を決めるよりも受託側と委託側がそれぞれ何ができるかということを把握する作業をしてから達成目標を定めた方が双方ハッピーになれるんじゃないか。

*1:自分自身は1社2クライアントしか体験してないけど同業者の話はヒアリングすることはあるわけで、そういったところからの推測。

*2:自分自身の仕事のしかたでは、あるべき姿を先に考えた上で状況による引き算をやるけど。