客の「すみませーん!」って声が響く飲食店ってのは好ましくない。

僕が飲食店を評価するときの一つの基準として、オーダーをする際にスタッフと簡単に視線が合うかという点がある。

これができている店で楽なのは、目配せするだけあるいはちょっと手を上げるだけでスタッフを呼べることにある。逆にこれができていない店はスタッフが近くにいることが少ないから毎度のように大声で「すみませーん!」と叫ばなくてはいけない。

飲食店に入るときというのは、お腹が空いているときであったり、買い物や仕事の外回りで歩きまわったあとだったりと、疲れたところで一休みというのが多い。そういう状況でもうひとがんばりして大声を出すというのは面倒さを感じる。声を出すのも一回で気づいてくれればいいけれど、ひどいときだとどこから声がかかったのか探すのにスタッフが首を振り回しているときすらある。そうなると面倒さは倍増。客がオーダーを決めてからスタッフが来るまでの時間は僕が次もこの店にこようという思う確率と反比例する。

ピンとこない人には、こちらの気持ちに自然と気づいてくれる人と言わないと気づいてくれないどころか言っても気づいてもらえるかわからない人に対する好感度の差を想像してもらえればいいと思う。

このあたりまでは主観だけど、客がオーダーを決めてるのにそれを聞かないというのは、その時間分だけ客の滞留時間を長くしているわけで回転率重視で営業しているなら改善すべき事項になる。また感覚的な話になるけれど、よい店と悪い店の間には3分程度オーダーを聞いてくれるまでの時間に差がある。

そんなことが起こる理由は単純な話で、フロアスタッフが常に客全員の状況を把握しようとしていないから。「あの客は食事を出したばかりだからしばらく声がかかることはなさそうだ。」「あの客はメニューを見てるからもう少ししたらオーダーの声がかかるかもしれないな。」「メニューは手元にあるけど、顔を上げてるということは注文が決まったのかな。」とただそれだけ。基本的に客が顔をあげて首を振り回してたら何かを探してるなと思うのは基本。このぐらいは僕も飲食店でバイトしてたときに意識してやってたこと。

それができないスタッフを見破るのは簡単で「ホール側にいるときに客を見ていない」「フロアを動くとき・戻るときに目的地にしか視点がいかない」という2点だけ確認すればいい。スタッフを呼びたい客の側からすれば、そういうスタッフとは絶対に視線が合わないから近くを通らない限り大声で呼ばざるをえない。前者はフロアに意識がいっていないことがわかるし、後者は目的地に集中してしまってるからホール全体の状況に目がいっていない。そういうスタッフはさっきあげたように呼んでも気づかないっていうケースが多くなる。

逆にスタッフ教育は楽な話で「常に全員の客を見なさい」とするだけのはずなんだけどなあ。