過去に誰がいじめを止めることができたか。達成した人はどんな思いをしてそれに取り組んだか。

いじめをなくすということは人間関係を抜本的に変えることだ。しかしこれまでどれだけの人間がそれに成功したのか。

恋人、夫婦、親子、職場の同僚。1対1の関係であっても些細なすれ違いで、腹を立て・罵声を浴びせ・心を傷つけられ・泣き疲れ、それすら満足に解決できずにいる。

いじめは1対1の人間関係じゃない。被害者も1対多数、それを止める人間も1対多数だ。1対1でも挫けているのがほとんどの人間だというのに、1対多*1を挫けずに乗り越えられる人間がどれだけいるのか。

システムでどうにかすることを考えるのを否定するわけじゃないが、そんなカッコつけたことを言っている間に事態がもっと悪くなるのが人間関係じゃないか。本気でいじめを止めようとする人間は加害者と被害者の間に入っていじめにあうのと同じぐらい泣く思いをする。そういう涙を流す覚悟が必要だということをどれだけの人間が想像しているか。

*1:こちらが1ではなくとも少数対多数になるのは間違いない。