ソフトバンクモバイルの運用担当に同情。
23日にソフトバンクモバイルが発表した新料金プランは、月額2,880円で音声通話無料、メールも無料とインパクトのあるキャッチコピーが並んだ。従来の料金プランから大きく変わることになるため、26日のサービス開始を前に一部で情報が錯綜しているようだ。本稿では、新料金プランの情報を整理していく。
『Yahoo!BB』マイナスからの挑戦―顧客満足度 復活への軌跡を読めば「それでもやってのけるのがうちの社員」ってのが孫社長のポリシーなのはわかるが。
予想外割を利用するには、新スーパーボーナスが必須だが、新スーパーボーナスの詳細や現行プランとの違いについては「26日をお楽しみに」(孫氏)として、今回は発表されていない。MNP開始日である24日ではなく、26日に発表する理由として孫氏は「今回の発表は、役員を含めてほんの数人で進めてきた。誰にも言うな、というのは我が社のここ1カ月くらいのキーワードだった。そのため、店舗スタッフや営業スタッフに対しても、この発表会と同時に全国9カ所で決起大会と称して説明を行なっている。店舗側の準備期間を設けた結果、26日に発表することにした」としている。
3日で全スタッフにサービス変更の内容を覚えさせようという試み。コールセンターに関わる身として第三者的にみれば実に興味深い事例だが、Yahoo!BBの例から想像できるとおり顧客対応よりもサービスの内容で客を引き留めようとする*1のがソフトバンクのやり方なので、顧客対応なんてこちらが意識するよりどうでもよいのかも。
そもそも「予想外割」とは?
新料金プランと新割引サービスとキャンペーンでソフトバンクモバイル同士の通話・メールが定額になるサービス。
「新料金プラン」と「新割引サービス」と「キャンペーン」ってそれぞれ何?
「新料金プラン」=「ゴールドプラン」
「新割引サービス」=「新スーパーボーナス」
「キャンペーン」=「ソフトバンク大創業祭キャンペーン」
「ゴールドプラン」って?
月々9600円の基本料でソフトバンクモバイル同士の通話とメールが無料になる料金プラン。ゴールドプランの加入には「新スーパーボーナス」への加入が必須。
「新スーパーボーナス」って?
現状ではお知らせしてない。26日に詳細を告知。
「ソフトバンク大創業祭キャンペーン」って?
10月26日から来年1月15日まで実施される8個の割引キャンペーンのこと。ゴールドプランに影響するのはこんなところ。
- ゴールドプランの基本使用料が2880円に。
- 加入月から基本使用料が最大2ヶ月無料
- 加入月から「スーパー安心パック」の月額使用料を最大3ヶ月無料
- 加入月から「スーパー便利パック」の月額使用料を最大4ヶ月無料
結果として最大2ヶ月は基本使用料が無料になり、その後は基本使用料2880円とオプションの使用料で利用できる。
本当に2880円だけで通話・メールが無料なの?
以下のように基本使用料2880円以外の料金がかかることがある。
- 無料なのは通話先・メール送信先がソフトバンクモバイルの利用者である場合のみ。加入電話・他社携帯電話・PHS宛は別途通話料が発生。この分の無料通話分は一切なし。
- 21:00-0:59*2の通話は月200分を超えると他社携帯電話・PHSにかけた場合と同じ程度の通話料(21円/30秒)が発生。
- 申し込み不要で利用できるメールはソフトバンクモバイル同士のSMS・MMSのみ。Eメールを使って他社携帯電話・PHSなどとメールをするときは「S!ベーシックパック」の月額基本料315円と送受信料が必要。
- 「新スーパーボーナス」に加入すると、保守サービスの「スーパー安心パック」、留守番電話サービスや三者通話などがセットになった「スーパー便利パック」に自動加入となる。「スーパー安心パック」は498円、「スーパー便利パック」は3G・498円、PDC・399円の月額料が発生。必要ない場合は解約手続きをすること。
これだけの内容をコールセンターや販売店は3日で覚えろ、と言われているわけですな。これ以外にも「オレンジプラン」「ブループラン」の内容も覚えたりしなきゃいけない。管理者はただ自分の知識として身につけるだけではなく、各担当者が把握しているかまでみなきゃいけない。これを通常の業務を回しながら3日でやる、シフト制の現場なら発表後最初の出勤が26日になるスタッフだってたくさんいる。いやー、大変。というか23日は発表直後でほとんど何も説明されていない状態の現場にたくさんの問い合わせが入ったことが想定され、現場は大変だったろうな。
広報ですらこのとおり。
日経コミュニケーションより:本記事について10月24日にソフトバンクモバイル広報に確認したところ,新たな事実が判明したため記事に追加した(記事中の斜体文字部分)。ソフトバンクモバイルは23日時点では「パケットし放題,スーパー安心パック,スーパー便利パックは解約できない」としていたが,24日に問い合わせたところ「付加サービスはすべて後日解約できる」と説明を修正した。修正の理由は「社内に内容が伝わったのが発表当日で,情報が錯綜していた」ためだという。
この記事を見ると「パケットし放題」の加入もゴールドプランに必要とあるが、プレスリリースにそういう内容は記されていない。
定額はともかく基本料2880円*3の部分が生きて、これまでの料金プランを使うより月額料金が安くなれば客は残るのだろうが、さて。