コールセンターに関わる管理者たちは、顧客が何を望んでいるかなんて「聞かなくてもわかる」と思いこんでいるんだろう。

どこの企業もマーケティング活動に懸命で客が何を望んでいるのか精一杯の調査をしている、らしいが今のクライアントも前のクライアントも調査をしているのかしていないのか客の望んでいることがなんなのかをデータとして聞いたことはなかった。

コールセンターはCRMの最前線なんていうけれど、個別の問い合わせにぼんやりと対応していれば客の声がわかるなんてことは絶対にないのでそこには方法論が存在しないといけないのだが、うちの会社もクライアントもその辺を考えている様子は過去にまったくなかった。*1

結果的に客観的データとして客が何を望んでいるかというデータは一切現場に提示されない。それは商品そのものに対してだけでなくコールセンターについてでもそう。

コールセンターについて客が望んでいることが客観的にわかるデータを自分自身でとっていないなかで*2、コールセンターに関わる人間が「客の望んでいるものはこれだ」「うちのセンターのここが誇れるんだ」とかいうから「それってあなたの価値観じゃね?」とか「いやいや優先度の高いのは本当はこちらだよ」なんて不毛な突っ込みが入る。*3

コールセンターの価値観を全スタッフで共有しようという前に、その価値観が第三者のデータで裏付けされているものかどうかを確認しないと、スタッフ間で閉じられた価値観論争が始まる。そしてこの価値観論争はエンドレスで何も生み出すことはない。

*1:「過去に」と書くのは今の環境は僕がリーダーだから変わるのさ、という自負があったりするからだが。

*2:コールセンター絡みの書籍・雑誌にはその手のアンケート結果が掲載されているが個別のセンターにすべてが当てはまるとは思わない。

*3:簡単な例:「応答率と対応内容とどちらを優先するんですか?」