停滞した組織に欲しいのは、何でも文句を言う現場と何でも叶えてしまうミドルマネジメント。

組織が停滞しているところに、やけに威勢のいいミドルマネジメントが「ぜひ、みんなの意見を聞きたい」なんて言うけど、今まで何を言っても変わらなかった実績があきらめを生んでいるから何も言ってもらえないのが常。

だから、文句をいつになってもあきらめないで言ってくれる人間はそういう組織のミドルマネジメントにとって貴重な人になる。もし、そういう人が残っているなら、ミドルマネジメントはその人のいうことを全部聞いて叶えてしまえばいい。

その文句が組織にとって有用か無用かなんてどうでもいい。現場の言うことが叶えられたことなんてことが今までなかったのだ。意見が変化につながると言うことがこれまでにない組織の変化だ。

それを続けていけば他者からも意見が出てくるきっかけになる。言ったことを聞いてくれるという信頼感がきっかけになる人もいれば「あいつのいうことで組織がもっとめちゃくちゃになる」という妙な危機感がきっかけの人もいるだろう。

にっちもさっちもいかない状態で方法の取捨選択なんてやってる場合じゃない。取捨選択をしたいミドルマネジメントはプランのすべてをデザインして人まで入れ替えることが必要になるだろうね。

すごく前進したのは、ある機会でした。システムの大規模な不具合で、自分が現場の中にはいったときからです。現場の人と一緒になって、汗水たらして状況を把握し、仕切ったときに現場との信頼関係がうまれました。その後、はじめて現場が考えていく姿勢を示してくれました。こういう経験をへて、僕は現場の中で汗水たらして運用をみる重要性を痛感しています。

採用した従業員の定着率が悪いのは社会環境や今の若者のせいにして決して自分のせいにしない経営者に問題があります。従業員の夢と会社の夢が重複するように、絶えず対話を欠かさず、従業員の話をよく聞き、「そうだね」と相槌を打ってあげながら、激励のアドバイスを行っていかねばなりません。僕は少なくとも二つのことを褒めてから、ひとつの欠点を指摘しなさいと経営者には教えています。