42.195kmの先にあるもの

元来、集中力が持続しないほうなのである。夏休みの宿題を夏休みが終わってからやってることもあったし、例の高校卒業後数年たってから大学受験するんだーっていって1年勉強したけどなかなか集中しきれなかったし、英会話やるぞーって言っても続かなかったし、今の仕事だってちょっと余裕があるとすぐに息を入れる。集中力が持続しないというか三日坊主体質だし、結果が先の先にでるものに対してコツコツやっていきましょうというのが以前はまったくできなかった。

仕事が早いと言われることはあってもトータルでは休んでる時間が長いから他の人の仕事量と同じになるし、僕と同じ仕事量を継続してできる人がいたら絶対負ける。今の会社にはそういう人間がいないだけで、世の中にはそのぐらいの人間がたくさんいることは充分にわかっている。

そういう性格が今更一朝一夕で直るわけはないのでそれはそれで致し方なしとして、ここ数年で思ったのは性格の他に体力がないことが集中力を持続できないことに影響しているんじゃないかということだ。単純に言えば仕事から帰ってきたら、もう頭が働きません、っていうのは体力的に問題があるだろうと思うようになった。

今、家に帰ってきてから睡眠時間までに4-5時間ある。これがちょっと前だったら何もしないでぼーっとする時間に消化されてた。これはちょっともったいないんじゃないかと思うようになったのが2年ぐらい前。その頃からそういう時間に本を読むように変えた。ところが、やっぱり会社から帰ると疲れてるので本を読む気力がでない日もあった。やっぱり体力について改善する必要がありそうだと思った。

とはいえ、普段から運動していない人間が運動するのは続かない。ましてや物事が続かない性格なのだからそこから本当はどうにかしないといけない。

それが、来年の春に42.195kmを完走するぞ、といって月に100km以上走るようになったのは、今年の2月に来年から東京マラソンが始まることを知ったのがきっかけだった。もともと長距離を歩くのは苦手じゃない。2-3kmは平気で歩けるし、2年前は忘年会で終電を逃して10km歩いた。去年の夏には何の意味もなく宇都宮線の片岡から喜連川温泉をとって氏家まで20kmを歩いたりした。そのときの感覚と42.195kmを比べた場合になんとかいけるんじゃないかと思った。

とはいえ、いきなり走り出すと壊れるのは目に見えているので、まずは会社帰りに週に3-4日5kmを歩くようにした。会社帰りのついでだから帰宅の時間が1時間遅れるだけで、家に帰ったらぐたーっとなって時間を無為に過ごすことに比べたらなんてことはない。そもそも家に着いてからが動きたくなくなっていたのだから、家に帰るまでに何かしないといけない。そういう性格上の理由からも帰りに歩くというのはいい策だった。

それを2ヶ月続けて、3kmぐらいからジョグを始めた。意識的にゆっくり走っても7分/1kmのペースになるのでこれをずっと続けてる。最初は呼吸と足全体の疲労感と相談しながらだったけど、1ヶ月ずつに2kmぐらいずつ距離を伸ばすようにしていって7月には12kmを7分/1kmのペースで走れるようになった。最近は膝の痛みがでたので量を軽くし8kmを週4-5日になったけど、状態がよくなったのでまた距離を伸ばそうと思ってる。

理由はわからないけど、三日坊主体質の自分が誰か・何かに追い立てられるわけでなく自分自身で決めたものが長く続いているのはこれが初めてといっていい。結果的に持久力がついたのか、時間がとれる限りはこの日記を書こうという気力もここ1ヶ月残るようになった。体力が気力に直結する結果になった。

だから、目標通り42.195kmが完走できるようになったとき、その先に以前やろうと思ってできなかったことをもう一度しようとしたとき、結果が何か変わるんじゃないかと思ってる。それは体力的な変化だけではなくて、もう一つ三日坊主を乗り越えたことによって気持ちのコントロールについて何か一つ掴めるものがあるんじゃないかという期待にある。