id:rajendraさんへの返信
不躾なはてブコメントとトラックバックに丁寧な対応をもらって恐縮しているところです。これまでの記事と話がループしているだけで反論になっていませんが、自分の思うところのまとめを兼ねて返信します。
「政治家は鳥瞰的に思考する生き物」と僕は思っているので、「○○という健全な状況」という言葉を聴いても、「ああ、状況について評価しているのだな」としか思いません。ですから、僕には子供はいないし、僕の両親も子供は僕だけですけれども、それらの家庭が不健全なものと評されたかのように感じもしませんでした。「健全」という言葉は誤解を生む可能性がある言葉という意見は首肯できますが、だからといって「クリリンのことかーッ!!」とばかりにこぞってキレている様子はやはりおかしいのではないでしょうか。まして、今回の騒動においては同じ会見の中で、
- 婚姻の状況は雇用の安定と関係がある
- 子供を持つ世帯の家計への経済的支援が必要
- 若者の希望にフィットした政策を出していくことが大事
などと述べているのですから、やはりマクロ的な視点で語っていると見るのが妥当であると思います。
id:rajendraさんは 「政治家は俯瞰的に思考する生き物」という前提と、会見中に行われた他のマクロ的視点での発言をもとに、対象の発言もマクロ的な視点で語っていると見るのが妥当と仰っています。柳沢氏が後に「全体の状況について述べた」と説明していることからも、そのように見るのが僕も妥当だと思います。*1
しかし、僕自身が脊髄反射したように他にも似たような誤解*2をした人がいるわけです。
このような誤解をいつまでも引きずっているのがおかしいというのはその通りですが、おかしかろうとそれをしてしまう人間がいるということも今回の騒動でわかることです。
結果、その誤解で何が生じたかと言えば、関係者が閣内・党内・野党・マスコミと様々な方面に対してフォローに労力を割いたと言うことです。
そして該当の発言は「ご当人の若い人たちの多くは、結婚をしたい、それから、子どもを二人以上持ちたいと思っている状況にいるわけですね。」としておけば充分に意図が伝わるもので、言い方一つで各所が無駄な労力を割かずに済んだわけです。
趣旨に問題はなくても、誤解が予測できる状況で誤解を生じさせ発言した当人だけでなく関係者もそのフォローに労力を割かねばならなくなる発言をすることが問題、と僕は考えてます。誤解の予測については結果を見てものを言っていると言われればそれまでですが、前の記事でも書いたとおり「優劣につながる発言は危険」というのは以前から思っている僕の考えです。*3
最初に脊髄反射したことはともかく「どんな言葉でも誤解が起こるのは当然なのに、その中でも誤解を生む可能性が高い発言をしてしまったのか」というところから僕は騒動を見ていますから、あの発言の趣旨は問題ない・誤解するのがおかしいと言われても「ふーん」と唸ってしまうだけです。*4同様におそらくその趣旨で発言されてしまうとここに書いたような論も「ふーん」と聞き流されてしまうことも承知しているのですが。